アメリカ(海外)に向く日本人

今後のブログ内容

僕はスポーツが好きだ。だが、どちらからと言うと競技その物の観戦ではなく、各種スポーツにおける名選手たちの考え方、取り組み方、歩んできた道に関心がある。彼らがどうやってその分野の一流と呼ばれるまでに上り詰めて行ったのか?そのプロセスや彼らの考え方を見ていると、同じアスリートであるコンペティション・シューターたちとも共通することがいくつもあることに気付く。またその人たちの人生は、彼らが情熱を捧げた競技によって豊かなものになっていると感じた。彼らのように世間にも注目され、スポットライトを浴び続けているアスリートたちとオリンピック競技にすらなっていない射撃競技を撃っているシューター達を比較することなど、厚かましいにも程があるが、同じようにスポーツ(射撃)に夢中になっている僕としては、どうしても自分の考え方と彼らとの比較をしてしまう。野球の野村克也監督は、野村-野球=ゼロ と言うらしい。彼の人生は野球を通して得てきたもの、経験してきたものが全てと言うことだろう。それなら、僕の人生も 鮫島-射撃=ゼロ で間違いない。僕が銃に興味を持ったのは8歳の頃。そして、射撃競技の存在を知り、そこで世界一を目指して挑戦をしたいと決心したのは12歳だ。それから15年以上の月日が流れ、今は射撃競技の本場であるアメリカに居る。今、こうしてアメリカに居るのも英語を日常会話が必要な程度に話せるようになったのも全ては射撃をやっていたからだ。射撃と言うものを通して、銃と言う正義と悪の両方のツールとして社会で扱われるモノに触れてきた。それにより、僕の世界を見る眼は一般人とは違うと言うこと、また異なる視点から語ることが出来ることにも気づいた。そう言った情報、考えも貴重なのでは?と考えたことから、今後は、雑誌の紙面では書き切れない射撃や銃とはやや離れた情報、コラムをこのブログにて発信していきたいと思う。特にアメリカでの生活情報、知恵は、銃や射撃に興味が無い人にとっても有益な情報だろう。また専門誌では伝えきれない「銃社会アメリカの真の姿」も銃業界に関わる人間が見たより深い考え、広く深い視点で書いていきたい。

自分のやりたいことを追い求める

アメリカはアリゾナに住むようになって8年目を過ごしている。留学生としてアメリカで生活を始めた僕だが、連絡を取り合うことのある現地に住む日本人の「友人」は指で数えられる程にしかいない。ただ、それでもこの7年間で数多くの日本人に会ってきたし、彼らの面白い話も数多く聞いてきた。その話を聞いたり、彼らを見てきた僕が思うアメリカ(海外)に向く日本人の話を書いていこう。

国際社会と言う言葉を巷で聞くようになって、随分と時間が経つ。数多くの日本人が海外で生活を送るが、世界は広いと言え、観光ではなく、何らかのビザもしくは、永住権を持って海外に長期滞在する日本人は、アメリカにおける在住数が世界で一番多い。海外に居る日本人は、様々な事情でその地に住んでいる。家庭の事情(これには親の結婚、自身の結婚などが当てはまる)、留学、仕事など色々だ。たが、その中でもアメリカに住むことに幸せを感じていない日本人は、意外に多いのかもしれない。と言うのも家庭の事情、仕事の都合でアメリカに移住せざるを得なくなった人は、心の底からアメリカに住みたいと思っていなかったり、仕方がなく住んでいる場合が多い。アメリカに居ることに不満を感じて時間を過ごしていても不思議はない。アメリカへの留学をする人にもいくつかのタイプがいる。自分でアメリカに憧れて来る人、英語力を磨く為、日本では学べない分野を学習する為…こう言った理由が留学生に当てはまるものだが、中には両親に島流しされるかのようにアメリカで留学生をしているケース、日本の社会から逃げるかのようにアメリカに出てくるケースも見たことがある。この様なケースでは、周りに迷惑を掛ける人間が多かった。

結局、アメリカ(海外)生活に向いているか、そうでないかを決める重要な要素の1つは、自分がやりたいことが本当にそこ(海外)でしか出来ないことなのか?と言うことだと思う。自分がやりたいことが何なのか、自分が一番喜びを感じられることが何なのかを考えることが大切だ。僕は日本では所持が不可能である38口径以上のハンドガンを使う射撃競技で世界トップになることを十代から目標にしてきた。日本では、唯一の方法となるエアソフトガンを使用しての競技に参加し、練習を積んだ。そして、アメリカで合法的に銃が購入できる21歳になった後に、先ずは留学生としてアメリカに来ることを選んだ。英語力を磨くこともそうだが、何より射撃競技の本場であるアメリカで試合に挑戦することが目的だ。自分が一番やりたいことが出来る環境を選んだわけだから、多少の不便さや理不尽なことは我慢できる。言葉の違い、文化の違い、食べ物の違い、そう言ったことは確かにストレスになる。日本で育ってきた以上、日本の常識や文化、食生活が基本となってしまうのだから当然だ。日本に一時帰国したアメリカ在住の日本人が「やっぱり日本最高!」と言ってアメリカに戻ってくる。では、なぜ「最高」の日本に住まないのか…。僕は何も日本が嫌いなのではない。ただ、自分がやりたいことをやる為の「最高」の場所がアメリカだった。だから、僕は日本に一時国してもそこが自分にとって最高だとは思わないのだ。

自分がやりたいことが自分の生まれ育った国である日本で出来ない。だから、僕はアメリカに来た。学生時代、将来を考え、英語だけは良い成績を取り続けた。事前にアメリカの文化や慣習について、本を読む等の予習をした。すると、こちらでは浴槽に浸かる習慣がない…それに気づいた僕は中学生の頃から朝にシャワーを浴びるアメリカの慣習を取り入れた。そう言った具合に自分が一番好きなこと、やりたいことの為に全てのことを選んだ。海外で生活することは何だかカッコ良く聞こえてしまう。しかし、僕は海外生活に憧れはない。憧れていたのは、射撃競技の世界で活躍することだった。海外生活を目標にする人がいても全く構わない。でも、僕が思う海外に向いている人は、日本で出来ないことを追い求めて海外に飛び出す情熱を持っている人ではないかと思う。